若かりし頃、『最初と最後を大切にしろ!』と教わった。
とくに最後!
入り口より出口!
と何度も口うるさく教わった。
繰り返し何度も…何度も…。
人間、
どんな時でも…
どんな場所でも…
入る時はよそ行きです。
そして、出ていく後ろ姿に人格が表れます。
例えば、入社の時。
みんな、「これからしっかり頑張ります」と揃ってよそ行きの姿勢です。
しかし、途中で退社するような時には、
ついつい本音が出て捨てセリフを吐く人、
仕事の後始末もせずに辞めていく人など…様々です。
出ていく後ろ姿に、
その人の本当の人格が表れます。
恋愛で言えば、別れ際。
例えばホテル。
チェックインする時、
すべてのお客さんは紳士と淑女です。
しかし、
「一晩部屋を使い終わってチェックアウトした後の部屋を見たらその客の人格が分かる」と、ホテルの支配人から教わった。
備品は使いたい放題…
電気はつけっぱなし…
部屋は乱れたまま…
パジャマは脱ぎっぱなし…
とても立派な人だとは誰も思わない。
食べた後をきちんと片づける。
泊まった後の部屋はきれいに整理整頓する。
それは人格を磨く身近な努力であり、
大切なことだと改めて思う。
また、逆説的にみることもできる。
例えば、
飲食店などの店舗ビジネスにおいては、
『お見送り』と言って、お店から出ていくお客様の後ろ姿をずっと見送ります。
どうしてそんなに出ていく後ろ姿をずっと見ているのか?
それは心象付けとして、お客様が振り向いた時、その心象パフォーマンスを期待してのことでもありますが、それとは別にお客様の本心は帰り際に現れる。
今日の自分のサービスの評価がそこにあるので、その確認でもあるし、今日のサービスの最後の仕上げでもあるからです。
何はともあれ…
自分の後ろ姿を美しく
来たときよりも美しく
「退」のときの美学をいかに持てるか、
学んでいるか。
人格は、そんな後ろ姿に表れる。
だから人は憧れの誰かの背中を見て育つ。
それが上司だったり、父母だったり、
憧れのメンターだったり…
自分の後ろ姿を美しく
来たときよりも美しく
そう意識して生きたいと思う。
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