【Q&A】成長の種

【質問】
スタッフがなかなか育ちません。
何か良いアドバイスはありますか?


スタッフ育成と子育てって、すごくよく似てるなぁ〜て思います。

僕がいつも意識しているコミュニケーションのコツがありまして…
 
1.相手の憧れの種を自尊心へと発芽させる

2.抽象度が一つ上の会話をする

3.答えを教えない

4.面倒は見ずに信頼する

この4つがとても大切だと思っています。
 


スタッフ育成や子育てなど人をリードしたり、導いていく時など、とても意識しています。
 

逆に言うと、
・自尊心を否定する
・ダメ出しをする
・同じ目線で会話する
・答えを教える
・面倒をよく見ている


これらをやると人は育ちません。
依存タイプがどんどん増えていきます。

 
離職率という指数がありますが、
分かりやすく業績の悪い店舗ほど離職率が高いです。

人は自分が成長出来ると思える環境からは離れません。

「この人とだったら〝なんか〟成長できる気がする」
「この人〝なんか〟好きなんだよな」
「この人って〝なんか〟魅力あるんだよな」

人はこのように感じられる人にリードされます。
 
そしてこの〝なんか〟とは、
おおよそ「自尊心」がキーワードになってきます。


人は自分の自尊心を満たしてくれる人のところに集まるという心理があります。
 
誉めた方が自尊心が高まる人もいますし、
逆に突き放した方が自尊心が高まる人もいます。
 
それはケースバイケースになりますが、
どちらのタイプの人であれ、
「その人のことを無条件で愛する」
ということが、とても大切になってきます。
 

条件付きで愛するのではなく、
無条件で愛する。

 
無条件で愛するとは、
失敗を許すという意味ではなく、
「その人の不完全な一面も許容する」という意味です。
 
「なんでもいいんですよー」
という意味ではなく、
「私はあなたの全てを受け止めます」
という意思表示です。そうすると、信頼関係が出来上がっていきます。

人は人のことをなかなか信頼できません。

「この人は大丈夫だ」
「この人は味方だ」
「この人は安心安全だ」
と思われる懐の広さが必要になってきます。
 
この「安心感」こそが、信頼関係の基礎の部分になり、
信頼関係があるからこそ、スタッフはあなたの声に耳を傾けるのです。
 
そうすると、少しずつスタッフの方からあなたへ心を開いてきます。
 

会話をする際は決して同じ目線にならないでください。
 
アインシュタインの言葉でこういう格言があります。

「いかなる問題も、それを作り出したときと同じ意識によって解決することはできない」

 
これはどういう事かと言うと、
「問題を解決するためには、一つレベルを上げた意識・思考が必要である」
という事です。
 
 
スタッフはあなたに問題解決を求めています。
あなたを信頼しているからこそ、問題解決のための答えを求めています。
 
だからこそ、
答えは教えてはいけないのです。


これは、
「自ら答えを導き出せるようになるための思考の変化を与える」絶好の機会なのです。
問題解決は、その問題が起きたときと同じ視点、同じ思考回路ではできないようになっています。

 
だからあなたは、
一つ上の会話をしないといけないのです。
抽象度を一つあげる必要があるのです。



しかしながら、
一つ上の会話をすると、
スタッフはスッキリしません。
 
「店長の言っていることがわかりません」と時にはなるかもしれません。
 

それでいいんです。


人を育てていくときには、
分かられたらダメな時が多いです。
 

一つ上の視点の会話をして、
一つ上の視点を与えるのです。
 

そのコミュニケーションは答えを与えず、
視座を高める機会を与えます。
 

安心してください。
問題とはその時々で、
本人が解決出来る問題しか起こりません。

なので、答えは教えなくて大丈夫です。


答えを教えてしまうと、
「答え=問題解決の種は外側にある」
という思考癖がついてしまいます。
 
そうではなくて、自分の内側へとフォーカスを向けさせたいんです。
その子が持つ潜在的なものを気付かせたいんです。

それには 「自分の力で解決した」と本人が思う必要があり、
だからこそ自尊心がより一層高まるんです。


本当のリーダーシップとは、
自分が輝くことではなく、
人のことを輝かせるという事。
それが真のリーダーです。
 
そして、
「あなたのおかげ」と決して思われない在り方の人が真のリーダーです。
 

あなたが真のリーダーシップを身につける努力を始めると、
自然とスタッフは育ち始めるでしょう。
 
人は「育てる」のではなく、
「育つ」のです。
 
あなたが、育てるのではありません。
本人が自身で育つのです。
 

だからこそ、
あなたの在り方が問われるんです。
では、どんな在り方がいいのでしょうか?

それは歴史が物語っています。


鳴かぬなら殺してしまえホトトギス
鳴かぬなら鳴かせてみせようホトトギス
鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス
 

個人的好みの信長だ!秀吉だ!
というのは横に置いておいて…
 
天下を取ったのは誰でしょうか?



鳴くまで待った家康です。

僕が20代を過ごした水商売の業界は、たくさんの人がやってきては、たくさんの人が離れていく、
とても競争率が高く、離職率の高い業界でした。
 
勝ち負けに対する心理的要因はもちろんのこと、
それ以外にもいくつもの要素があってのことではありますが、
単純に…

人が離れるということは、
「一緒にいたくない」
という意思表示であり、
 
人が集まるということは、
「一緒にいたい」
という意思表示であります。
 
これはお客様しかりです。


だから、
「好かれようとせずに、好かれるためには」
「信頼関係を作るには」などなど、
傷つきながら・失敗しながら、一つ一つ在り方と向き合った時代がありました。
 
 
そこから、一つ一つ、
「在り方」というものを意識して、
そして身につけていくことで、
それと同時に 自分という存在の本質 に触れ出したように思います。

〝自分を知る〟という事です。


1.相手の憧れの種を自尊心へと発芽させる
2.抽象度が一つ上の会話をする
3.答えを教えない
4.面倒は見ずに信頼する
 

ぜひ、スタッフの方を愛してあげてください。そして、あなた自身が仕事を楽しみ、
仕事を愛している後ろ姿を見せてあげてください。

 
人は人の言葉を聞いていません。
姿を見ているのです。
 

言葉ではなく、
姿勢で愛を表現してみてください。
応援していますよーー^^!!
 

今ここにある全て

《船越 誠 home page》人が人生で最も必要としているのは、自分の可能性を引き出してくれる人との出会いです。そして、人生において最も有意義な経験の1つは誰かの能力を引き出す存在になることの様に思います。そんな理念の元、ビジネスを通してチームビルディング・個人コンサルにて理念を実現しております。 (株)attitude 代表取締役/人財コンサル/飲食業/アパレル