テクノロジーを基軸とすることが重要な理由として、その変化が社会に与える影響が大きいということに加えて、進化のスピードが速くなっているということがあります。
テクノロジーによる人々の生活やビジネスの競争環境の激変は、昔から何度も繰り返されてきました。
しかし、その時代を生きた人にとって、その変化は「比較的ゆっくりではあるけれど、確実に浸透していく」というスピード感だったのだと思います。
ある日突然、往来から馬車が姿を消して自動車が走るようになったわけではありません。
しかし、現代のテクノロジーの進化スピードは、人の意識の変化が付いていけないほどに速くなっています。
例えば、人が運転するより自動運転のほうが事故の確率は低くなるという実験検証が、すでに行われているといわれています。
それでも現時点で、「自動運転って便利そう。早く使いたい」と迷いなく言える人は少ないのではないでしょうか。
利便性を期待する以上に、「機械任せは怖い」「バグが起こったら事故になるのでは」といった不安のほうが大きいのだと思います。
インターネットが劇的に競争環境を変えることが分かっていながらも、多くの企業や個人がそれに対応できない。
その根本にも、こうした原因があるのかもしれません。
昔は、1人の人間が大きなテクノロジーの変化を複数回体験するということは、そうそうなかったはずです。
蒸気機関車が誕生したのは19世紀初頭、電車が誕生したのは19世紀末です。
当たり前のように馬車を使っていた人が、蒸気機関車に乗るようになり、電車というテクノロジー変革まで体験するということは少なかったでしょう。
ところが現代のテクノロジーは、5年や10年というスパンで、どんどん進化しています。
現に10数年前には存在すらしなかったスマホの普及率は、すでに72パーセントにも上ります。
テクノロジーの進化スピードは、この先も衰えることはないでしょう。
パソコンよりスマホのほうがずっと速く普及が進んでいることを思えば、衰えないどころか、さらに加速していくとも考えられます。
1人のビジネスパーソンとして考えたとき、かつては新しいテクノロジーが出てきても、普及し切る頃には現役ではなくなっていました。
「最新のものは自分とは関係ない。次の世代にお任せ」でよかったわけです。
しかし今は違います。
「ブロックチェーン」「VR/AR」「音声認識」など、社会を大きく変えていきそうなテクノロジーが、今日も進化しています。
テクノロジーの変化を読み、生かすことができなければ、企業も個人も生き残っていけません。
自分たちが働いている間に大きなテクノロジーの変化が、ポン、ポン、ポン、と複数回起こる。
その度に働き方を変えなければいけない時代になっています。
それが良い時代となるのか、悪い時代となるのかは個人の捉え方次第なのです。
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