事を成すには、狂であれ

旧来の落語界の常識を破り、独自に「立川流家元」を名乗るなど、落語の世界に爪痕…ではなく、足跡を残した、立川談志。



そんな談志さんが、テレビのインタビューで「好きな漢字一文字は何ですか?」という質問を受けたときに挙げたのが、「狂」という字です。


ハチャメチャだった立川談志を象徴するにふさわしい一文字です。
好きな漢字を一文字と聞かれて、この字を選ぶ人は、他にはなかなかいないでしょう。

さすが、せっかく政治家になったのに、酔って記者会見に出てしまい、記者から「公務とお酒とどっちが大切なんですか!」と詰め寄られて、「酒に決まってんだろ!」と答えて議員の職を棒にふったツワモノですね。



立川談志はこの言葉を選んだ理由として、こんなことを言っています。




「(誰だって)それぞれの世界で、自分の(心の)中にある押し込められたものをどっかで上手に発散していかなきゃいかん。常識というがんじがらめの世界から、たまには逃れなさい」



好きな漢字を聞かれたのに、若い人たちへの人生のメッセージを語り始めるところが、「実は優しい」立川談志らしいところ。


この言葉に続けて、こう言ってしめくくっています。


「(発散の方法は)なつメロでもケッコウです。酒が入れば、なおケッコウ」



このあたりは照れ隠しで自分の言葉を茶化していますね。



漢字一文字で「狂」。



談志の追加のコメントのニュアンスから察するに、他の言葉で言えば「息抜きとして羽目を外す」でしょうか。






僕の好きな、メンターでもある京セラ創業者の稲盛和夫氏は、「壁を打ち破る強烈なエネルギーに満ちた状態」のことを「狂」と表現して、「事を成すには、狂であれ」と言っています。




『坂本龍馬は「自我狂」という字を好んで書いた。



吉田松陰は「諸君、狂いたまえ」と若者たちを鼓舞した。



「狂をなし愚をなすも 我れいずくんぞ憂えん 我は我が志を行なわんのみ」と詠った山県有朋は自らを「狂介」と称した。



狂った人間たちが明治維新という奇跡を起こしたのである』(感奮語録)より





また、吉田松陰は、「狂愚まことに愛すべし、才良まことに虞るべし」とも語っている。



頭でっかちで少しばかり知識があったり才能のある連中はダメだ。



世間の評判などまったく気にせず、狂ったように新しいことに挑戦し、愚直にやりとげる者こそ、誠に愛すべき人間である、と。





狂とは、今まで通用していた常識や、思い込み、慣習などを一気に飛び越え、そこを突破するための一種の狂気だ。



常軌(じょうき)を逸(いっ)した行動をとらなければ、厚い壁や硬い岩盤を、突き抜けることはできない。





古今の大成功者のみならず、昨今のITやそれ以外でも…


世の中、成功者たちには一様に共通しているものがある。



それが、狂気というキチガイじみたパッション、情熱だ。



「事を成すには、狂であれ」

この言葉を本当大切にしています。


 


今ここにある全て

《船越 誠 home page》人が人生で最も必要としているのは、自分の可能性を引き出してくれる人との出会いです。そして、人生において最も有意義な経験の1つは誰かの能力を引き出す存在になることの様に思います。そんな理念の元、ビジネスを通してチームビルディング・個人コンサルにて理念を実現しております。 (株)attitude 代表取締役/人財コンサル/飲食業/アパレル